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宗家制度の廃止
◆ 徒弟制度の排除による宗家制度の廃止 ◆
天眞正自源流兵法は、令和4年1月1日を持ちまして、是まで譜代継承存続を重ねてきた流派師範家に於ける宗家制度を當代以後廃止、全権限を一門會師範一同で構成する「御流儀評議委員会」に委託する事を決定しました。
日本伝統武道に於ける宗家制度は、流派創生の頃より明治維新迄を「流派師範家」として流派総帥に位置し、明治時代からは「流派宗家」と称して最高権限を有して参りました。
その様な、宗家制度を根底から支え構築して来たのは、日本古来より継承されてきた「徒弟制度」による厳格な掟にあります。
徒弟制度は、厳しい武道に於ける修行道の骨格を築き、厳格な掟に由って制約された人達の修行の場という側面を持っております。
徒弟制度を踏襲している世界に共通している事は、一旦弟子入りをしたら徹底的に己を殺し、どんな理不尽な事であっても、師匠の言いつけを守る事が大原則となります。
天眞正自源流兵法に於いても、この徒弟制度により幾多数多の優秀な人材が世に送り出され、明治維新の大業を成し遂げた歴史も確かにありました。
しかし、現代に於いては、個人の自由と其々の個性が尊重されるべく、ひとり一人の考え方と自由な発想を重視した世界観を共有する時を迎えております。
故に、徒弟制度に於ける負の遺産を排除し、人と人とが対等に自由に稽古が出来て、其々の意思に基づく意見が出来る新たなる流派武術の組織体制が必要であると考えました。
その為には、徒弟制度を排除し、ひとつの武道愛好団体として、過去にとらわれる事無く流派の「宗家制度」に縛られる事無く、純粋に自由に楽しく伝統武道を学ぶ事が出来る様に組織を改革しなければなりません。
徒弟制度を排除する事は、最高権威者である流派の宗家制度を廃止する事であり、それが、未来へ向けての第一歩を踏み出す事に繋がると信じております。
由って御流儀創始の永正5年(1508)より、514年間に渡り嫡流相伝・譜代継承されてきた天眞正自源流兵法の徒弟制度を排除し、宗家制度を當代以後、完全永久に廃止する事としました。
これにより、28代上野景範綜師範と29代上野童心が當代として、流儀史に於ける最後の嫡流宗家として、その役目を全うする事により、未来の指導師範達に引き継がれる事となります。
開祖の系譜である瀬戸口家が4代、薬丸家が3代、溝口家が5代、上野家が3代、これからの新しい時代は、新しい指導者達が道を切り開き、未来に向けて、開祖の教えを伝搬する事を心から信じて止みません。
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